「畜産物消費者モニター第10回アンケート調査」結果概要
平成23年3月31日
(社)大阪府畜産会
T 「第10回アンケート調査」の実施方法
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○調査時期 ○調査方法 ○調査対象者 ○調査票回答者 ○調査主要課題 ○調査事項 |
平成23年3月 郵送方式により配布・回収 (社)大阪府畜産会「畜産物消費者モニター」235人 132人(調査票回収率 58.7%) 畜産物の利用方法について、新商品への手掛かりを探る 別紙「調査票」のとおり |
U 回答者の属性
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(単位:人、%) |
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合計 |
20代 |
30代 |
40代 |
50代 |
60代 |
70代 |
80代 |
男 女 |
9 122 |
0 0 |
0 9 |
1 34 |
2 30 |
2 29 |
4 19 |
0 1 |
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合計 |
131 |
0 ( 0.0) |
9 ( 6.9) |
35 (26.7) |
32 (24.4) |
31 (23.7) |
23 (17.6) |
1 ( 0.8) |
注:各年代層の占有率は、小数点第1位四捨五入のため、合計が100%とならない。
また、回答総数は132名であり、年齢層及び男女区分に回答がなかった1件が上記以外にあった。
●昨年度調査時よりも、回答数は増加した。20代の回答者はないものの、男性の回答者が増えた。
最も回答の多い年代層は40代女性であった。調査開始年度から6年が経過し、初めて80代の回答者があった。
V 調査結果の概要
1.自宅で牛乳を飲む頻度ついて
「毎日」と答えたのは89名(67.4%)と全体の6割を超えた。「週数回」と答えた23名(17.4%)と合わせると8割以上の人が頻繁に自宅でも牛乳を飲んでいるといえる。
特に年齢別階層において、70代以上で「毎日」と答えた割合が7割を超えている(73.9%)のには驚かされた。長く元気でいられる秘訣なのかもしれない。
反対に「飲まない」と答えた人はわずかに12名(9.1%)であり、全回答の10%を割っている。
2.乳製品で一番よく食べるものについて
「ヨーグルト」と回答した人が64.3%で最も高く、次にチーズの37.8%、アイス14.4%と続いた。意外とアイスを選択した人が少ないと感じた。
年齢別階層60代以上の方では70%以上の方に「ヨーグルト」が好まれており、関心の高さがうかがえる。
「その他」の回答では「バター」と回答した方があったが、1人だけだった。
3.牛乳や乳製品を使う料理について
この設問は記述式の回答をお願いし、最も回答が多かったのは「シチュー」であり、63.7%に及ぶ回答があった。
「グラタン」や「ピザ」と回答した人も多く、チーズや牛乳レシピの定番化が伺える。
中には「味噌汁」や「かぼちゃ煮」などの回答もあり、和風料理へのレパートリーの広がりも垣間見える結果となった。
4.自宅で牛肉を食べる頻度について
「週数回」と答えた65名(49.2%)、「月数回」と答えた58名(43.9%)が殆どを占めた。
「食べない」と答えた4名(3.0%)については、特に年齢別階層の偏りはなかった。
50代以上の方が40代以下よりも「週数回」の回答割合が高いという結果となった。
5.牛肉のおススメの食べ方について
この設問の回答も記述式でお願いしたため内容は様々で、最も回答の多かった項目は「肉じゃが」であった。
次いで「すき焼き」や「焼肉」、「カレー」と答えた人が多かったが、「ハンバーグ」と回答した人が意外と少なかった。
また、「野菜を巻いて食べる」と答えた人が比較的多く、バランスの良い食べ方に工夫している面が見られる。
珍しいところでは「炊き込みご飯」や「和風マリネ」などの回答もあり、日本人らしいレパートリーがうかがえる結果となった。
6.肉を販売しているパッケージの表示で足りないと感じていることについて
この設問の回答も記述式でお願いしたところ、34件の回答をいただいた。
そのうち最も多かったのが「産地」に関するもので、「国産」ではなく「都道府県」までの表示を求めるものであった。
また「部位」や「品種」などに関する表示を求める声があった。
現在の法律では「都道府県」までの表示義務はなく、多くの肉が「国産」の表示のみで販売されている。
7.自宅で豚肉を食べる頻度について
「週数回」と答えた105名(79.5%)と「月数回」と答えた25名(18.9%)を合わせると98%を超える数値となり、また「食べない」と答えた人はなく、多くの人が豚肉を好んで食べていることがうかがえる。
「週数回」と答えた中では50代が87.5%と90%に迫る数値だったのに対し、60代だけが67.7%と7割を切った数値となった。
8.豚肉の加工品で一番多く食べるものについて
最も回答が多かったのは「ソーセージ」であり60名(45.5%)、次いで僅差で「ハム」56名(42.4%)となった。
「ベーコン」は41名(31.1%)と前述の2項目とは少しの差があった。
記述式による「その他」の回答はなく、一般的な豚肉加工品の定番化が伺える結果となった。
少し目線を変えれば、新しい分野への進出はこういった固定化している分野でこそチャンスがあるのかもしれない。
9.豚肉のおススメの食べ方について
この設問の回答も記述式でお願いしたところ、110件の回答をいただいた。
最も回答が多かったのは「豚しゃぶ」と「カツ」であり、それぞれ20名を超える回答があった。
「豚しゃぶ」には「冷しゃぶ」や「豚しゃぶサラダ」なども含んでおり、「カツ」には「ミルフィーユカツ」や「カツ丼」も含んでいる。
「豚汁」や「粕汁」といったものや「野菜炒め」など、身近な料理も多く見られたが、最近の傾向か「蒸し鍋」や「蒸し焼き」といった回答も多くみられた。それだけ健康志向が深く浸透していると考えられる。
また「お好み焼き」といった回答が多いのも大阪ならではの特徴と言えるのではないだろうか。
10.自宅で鶏卵を食べる頻度について
「毎日」と答えた83名(62.9%)と「週数回」と答えた45名(34.1%)を合わせると97%となった。
豚肉同様「食べない」と答えた人はなく、日本人の食生活において最も身近な食材の一つであることがわかる。
「毎日」と答えた人の内、年齢別階層では40代と70代で70%を超えているのに対し、60代では50%を割っている。
11.玉子かけごはんを食べるおおよその頻度について
「たまに食べる」と答えた人が最も多く、56名(42.4%)であった。次いで「あまり食べない」が39名(29.5%)であった。
「よく食べる」と「食べない」と答えた人の数は同数であり、玉子は食べるが好んで玉子かけごはんを食べるわけではないという結果となった。
12.玉子のおススメの食べ方について
この設問の回答も記述式でお願いしたところ、93件の回答をいただいた。
定番中の定番ともいえる「玉子焼き」、「だし巻き」と答えた人が最も多く、この項目への総回答数93件のうち、39名(41.9%)の回答であった。
次いで「オムレツ」や「丼物」といった定番料理にも多く回答があり、また、ゆで卵や玉子かけごはんなどといった手軽な料理にも多くの回答をいただいた。
珍しいところでは「ぎせい卵」や「フーチャンプルー」などの回答もあったが、詳しいレシピ等は各自でお調べ願いたい。
13.肉と魚とではどちらを多く食べるかについて
「同じぐらい」と答えた人が58名(43.9%)と最も多く、次いで「肉」とした回答が49名(37.1%)、「魚」とした回答25名(18.9%)となった。
「どちらも食べない」とした回答はなく、食卓では肉や魚が頻繁に食べられていることがうかがい知れる。
「どちらも食べない」という人がいるかもしれないとも思ったが、心配には及ばなかった。
14.その他について
フリーライト形式で41件の回答をいただいた。
詳細は http://osaka.lin.gr.jp/guest/Monitor/moni010.htm をご覧ください。
W まとめ
近年、道の駅などにある産直販売が増え続けており、畜産においても然りである。より消費者に近い形での販売において、従前とは異なった商品の考え方や畜産物の利用方法なども考慮しておく必要があるのではないだろうか。このことについて、消費者の動向を知ることで新しい商品開発等へのヒントを探りたいという思いもあり、10回目となる今回のアンケート調査は、「畜産物の利用方法について、新商品への手掛かりを探る」ことを主要課題として行った。 以下では、簡単に結果の概要を整理してまとめとする。 |
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1)畜産物消費者モニター225名に送付し回答数は132通であった。結果的に回収率は前年度と比べて3.8%上回った。中には2年ぶりに回答をいただいた方も少なくなかった。これはおススメ料理を記載してもらうことで今までよりもより参加している感覚を持っていただけたからではないだろうかと考えている。アンケート調査を始めた当初はできるだけ○と×で回答できるような設問形式にしてきたが、内容によっては記述式で参加してもらう調査も必要であると感じた。 |
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2)内容的には消費者モニターの方々から新しい商品開発に向けてのヒントとおおよそのニーズ把握を目的としたものである。牛乳や肉、鶏卵の消費動向や利用方法について調査を行った。その結果、多くの方が牛乳をよく飲まれていることや豚肉をよく食べていることがわかった。また畜産物消費者モニターの多くが主婦であることから、特に今回はおススメ料理について挙げてもらったことで、馴染み深い定番の料理が家庭でも頻繁に食べられていることや野菜と一緒に食べるための料理に工夫をされていることなど、家庭での食べ方や嗜好に関する傾向などを知ることができた。 |
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3)畜産物の利用方法としては、まずは肉じゃがやカツなどの定番とされている食べ方と蒸し焼きや野菜と一緒に食べるヘルシーな食べ方などに2分されると考えられる。ターゲットをどのように捉えるかでどの部位を重要視するのか、どのように販売することが可能なのかなど、生産側の目的意識をより細分化することは可能である。また、提案型の経営においては、固定化されている定番の隙間を考える材料にもなり、視点を変えることで新しい商品開発のためのヒントになりうるのではないかと考える。 集計された結果は、可能な限り府内生産者へ還元したいと考えており、これによりどういった目的を持って生産に携わり、どこをターゲットとして販売に力を注ぐかといったヒントにしていただければ幸いである。 |
以 上