肉用牛の売却による農業所得の課税の特例

 

確定申告書に所定の事項を記載して、必要な証明書等を添付して申告をすることにより、

肉用牛の売却による農業所得の課税の特例の適用が受けられます。

 

所得税:平成2111日〜平成231231日、

法人税:平成2141日〜平成24331日、

地方税:平成22年度〜平成24年度

 

 

★★★課税の特例を受けるには、次の要件が条件になります。★★★

 

1.農業を営む個人。

(所得税法施行令第12条第1号及び第2号)(昭56直所56

<農業を営む者の範囲>

@米・麦その他の穀物、馬鈴しょ、甘しょ、たばこ、野菜、花、種苗その他のほ場作物、果樹、樹園の生産物又は温室その他特殊施設を用いてする園芸作物の栽培を行う事業

A繭又は蚕種の生産を行う事業

() 上記「その他のほ場作物」には、栽培する牧草を含む。

 

2.肥育目的で肉用牛を飼育し、次の各項に該当する事。(平成23年まで)

@飼育した肉用牛(2ヶ月以上飼育)を家畜市場、中央卸売市場等の特定の市場に売却した場合。(乳牛の未経産牛を含み、種雄牛及び胎児は除く)

*家畜商に売却した場合は、課税特例の適用を受けることはできません。

飼育した肉用牛の売却先としては、租税特別措置法第25条に「家畜市場、中央卸売市場、その他指定市場」と定められており、飼育した肉用牛を家畜商に売却した場合には、肉用牛の売却による農業所得の課税の特例の適用を受けることはできません。(措法25@、措令17A)

 免税の対象となる市場の範囲は、次のとおりです。

(1)家畜市場

(2)中央卸売市場

(3)臨時市場(家畜取引法第27条第1項)

(4)指定市場(畜産物の価格安定等に関する法律附則10条)

(5)条令市場…条令に基づき開設された市場で農林水産大臣の認定を受けたもの

(6)認定市場…農業協同組合、同連合会、地方公共団体等が開設した市場で農林水産大臣の認可を受けたもの

 なお、生産後1年未満の肉用牛に該当する乳牛を委託して売却する場合の免税対象となる売却先は、平成24月から従来の価格安定事業に代えて肉用子牛生産安定等特別措置法に基づく肉用子牛生産者補給金制度が創設されたことに伴い、この生産者補給金交付業務に関する事務の委託を受けている農業協同組合等で農林水産大臣が指定したものとされています(措法25@二、措令17B)。

A飼育した生後1年未満の肉用牛(2ヶ月以上飼育した乳用雄牛及び雌牛並びに肉専用種の子牛をいいます。)を農林水産大臣の指定した農業協同組合又は同連合会に委託して売却した場合は、次のとおり農業所得の課税の特例の適用があります(借法25、借令17)

   なお、この特例の適用を受けるためには、確定申告書に適用を受ける旨記載するほか、「肉用牛の売却による所得の税額計算書」(別紙1)及び「肉用牛売却証明書」(生後1年未満の肉用牛の場合は「肉用子牛売却証明書」(別紙2))を添付しなければなりません(措法25D、措規93)

 

〔課税特例の概要〕

 

(1)売却した肉用牛がすべて免税対象飼育牛である場合

   売却した肉用牛がすべて次に揚げる免税対象飼育牛である場合は、その売却により生ずる農業所得に対する所得税が免除されます。

 

 <免税対象飼育牛は次の@、Aの何れかに該当する事>

  @その売却価額が100万円未満である肉用牛(乳用種は50万円未満)(平元直所63

(消費税相当額を上乗せする前の売却価額(肉用牛の取引価格が一定の価格を下回る場合に交付される生産者補給金等の交付を受けているときは、当該補給金等の額を加算した後の金額。以下(2)において同じ。))

 

  A 次に揚げる登録がされている肉用牛(昭和56.4.1農林水産省告示第449)

   ○社団法人全国和牛登録協会の登録規程に基づく高等登録及び育種登録

   ○社団法人日本あか牛登録協会の登録規程に基づく高等登録

   ○社団法人日本短角種登録協会の登録規程に基づく高等登録

   ○社団法人日本アンガス・ヘレフォード登録協会の登録規程に基づく高等登録

 

(2)売却した肉用牛に免税対象飼育牛に該当しないものがある場合

   売却した肉用牛の内、免税対象飼育牛に該当しないものがある場合(全てが免税対象飼育牛に該当しない場合を含む)、つまり、売却価額が100万円以上(高等登録又は育種登録がされているものは別)のものがある場合には、次の@又はAの課税となります。

 

@総所得金額に係る所得税額 = 免税対象飼育牛に該当しない肉用牛の売却価額の合計額×5%

              + 肉用牛の売却に係る所得を除いた総所得金額に係る通常の所得税額

 

 ()開墾地等の農業所得についての免税の適用を受けているときは、上記算式の「肉用牛の売却に係る所得」には免税の対象となる農産物の栽培による所得金額(300万円を限度とします。)も含まれます(措令17D)

 

A免税対象飼育牛の売却による所得を含む通常の総合課税

 

 ○子牛の生産の用に供されたことの有無の確認については、体型(盲乳の措置の有無等)又は家畜市場における上場区分等で行う。

 次に、買入れた肉用牛の飼育期間については、2ヶ月以上とされている(昭56直所56)。

なお、自己が生産した肉用子牛は、飼育期間が2か月未満であっても肉用牛の売却による農業所得の課税の特例の対象となる肉用牛として取り扱っています。

 

 

>>>>>肉用牛の売却による所得の税額計算書(PDFファイル)

 

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