「畜産物消費者モニター第8回アンケート調査」結果概要
平成21年3月31日
(社)大阪府畜産会
T 「第8回アンケート調査」の実施方法
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○調査時期 ○調査方法 ○調査対象者 ○調査票回答者 ○調査主要課題
○調査事項 |
平成21年3月 郵送方式により配布・回収 (社)大阪府畜産会「畜産物消費者モニター」236人 143人(調査票回収率 60.6%) 今後、生産者に求められる在り方について、 消費者のイメージを探る 別紙「調査票」のとおり |
U 回答者の属性
(単位:人、%)
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合計 |
20代 |
30代 |
40代 |
50代 |
60代 |
70代 |
80代 |
男 女 |
13 130 |
0 1 |
2 13 |
1 28 |
2 36 |
3 34 |
5 17 |
0 1 |
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合計 |
143 |
1 ( 0.7) |
15 (10.5) |
29 (20.3) |
38 (26.6) |
37 (25.9) |
22 (15.4) |
1 ( 0.7) |
注:各年代層の占有率は、小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%とならない。
●昨年度調査時よりも、回答数は減少した。特に30代女性、40代女性の回答者が20人以上も減少した。
今年度から80代の枠が増えた。男性の回答者は昨年並みであった。
V 調査結果の概要
1.生乳とはどういったもののことを指すのかということについて
このことについて、「知っている」と答えた人は100人(71.9%)と全体の7割を少し超え、「知らない」と答えた人は39人(28.1%)であった。
年齢階層別では、「60代」で81.1%、「30代」で80.0%、「70代」で77.3%という順に「知っている」と回答された割合が高かった。
近年、“生乳入り”と書かれた製品が増えているが、牛乳との違いについて、その理解度を訊ねた設問であった。
2.生乳を販売するための施設設置について
「知っている」と回答した人は85.8%と高い数値を示した。
「知らない」と答えた人の割合が一番少なかったのは「60代(8.1%)で、逆に一番多かったのは「50代(23.7%)」で、あった。
3.牛肉の消費量における関東と関西の違いについて
このことについて、「知っている」と答えた人は88人(62.0%)であった。
「50代」以上の年代で「知っている」人の割合が50%を超える高い数値を示した。
4.大阪産牛肉を通信販売できるならどれぐらいの頻度で購入できるかについて
期間はともかく購入の意思を示した人は合計89人(63.6%)であった。
さすがに「週一回買う」と答えた人(6人)が一番少なく、残念ながら「買わない」と答えた人(33人)が一番多かった。
その他の意見としてはおおよそ、自分の目で見て店舗で購入したいというのが主な理由といえる。
5.リサイクル養豚が全国に広まりつつあることについて
大阪でリサイクル養豚が行われていることをある程度知られていることを前提として用意した設問であった。
結果的には「知らない」と答えた人が7割を超えた数値となった。
特筆すべきは、その中で「60代」の回答については「知っている」人が51.4%と半数を超えていることである。
6.養豚組合が開催する豚肉料理コンテストに参加したいかどうかについて
「してみたい」人が55.8%、「してみたくない」人が44.2%と、おおよそ半分に意見が分かれたといえる。
気になる点は、ほとんどの年代で「してみたい」が半数を超えているのに対し、「30代」のみが33.3%に止まっていることである。
男性でも6人の方が「してみたい」と回答している。(「してみたくない」と回答した男性は8人)
7.「エッグン」のキャラクターを見たことがあるかについて
まだ大々的な広報普及活動が行われていないため、知らない人が多いこと(70.2%)は予想していた項目である。
それにも関わらず42人(29.8%)の人が「知っている」と答えているのは、“ふれあい地玉子塾”などで微力ながら宣伝した甲斐があったということだろうか。
数年後にはこの「知っている」という数値が大きく向上していることを望むものである。
8.「エッグン」のマークを見かけたら、少々高くても購入できるかについて
「する」と答えた人96人(70.0%)、「しない」と答えた人41人(30.0%)と、先の設問と回答割合がほぼ逆転した結果となった。
府内養鶏農家が生産する鶏卵における信用度の高さを物語っている数値といえる。
中には「値段による」といった回答も見られたが、「少々高くなるのは仕方がない」とした回答も見受けられた。
また、「60〜70代」では「する」と答えた人が8割を超えているのに対し、「30〜40代」では5割を切った。
9.消費者にとっての「安全・安心」な食品の定義について
最も多くの回答を集めた項目は「生産者から直接購入」であり、次に「産地表示」、「認証制度」の順であった。
「銘柄」であるとした人はなく、「大手メーカー品」や「価格が高いもの」とした人も少なかった。
その他の意見としては「なにも信用できない」という類の回答が多かった。
(注)1つだけ選択してもらう設問であったため、複数の項目を選んだ回答についてはカウントに入れなかった。
10.大阪の畜産農家にしてほしいことについて
最も多くの回答を集めた項目は「牧場見学」(66人)であり、次に「生産量の増加」(41人)となった。
同様に「ホームページの開設」を望む声も多く、「60〜70代」でもこの項目を支持した人が10人以上いることに驚かされた。
「その他」の意見としては、交流会や勉強会・講習会等があり、畜産会として取り組めるものは積極的に考えていきたい。
11.「畜産物消費者モニター」の呼称変更について
回答者数は66人。但し、内18人(27.3%)の人が「いまのままでよい」という回答をされている。
変更について肯定的な人も否定的な人も呼称については“わかりやすい”ことを第一としている人が多い。
今回の設問については、呼称の変更について考えてみてはどうかとの声もあって、前段の意向調査的なものとしたものである。
この結果を受けて相談・検討したいと考えている。
W まとめ
第8回となる今回のアンケート調査は、「今後、生産者に求められる在り方について、消費者のイメージを探る」ことを主要課題として行った。
以下では、簡単に結果の概要を整理してまとめとする。
1)各畜種別の項目については、トピックス的な案件について訊ねた。いずれも直売の意向を含ませた意味を持つ内容の設問としたつもりである。一般的に畜産物は大手メーカーを通じて大手量販店で販売されるため、大阪の畜産物の物流形態とは異なることが多い。また、量販店の販売形態ではスケールメリットを考慮できない小規模農家では対応できない。そうした事情や条件下の下で、「畜産農家が消費者からの安全と安心を得るために必要なことは何か」を消費者目線から投げかけてもらうことが今回の目的であった。結論としては、まだまだ、一般流通されている畜産物と府内産畜産物との違いが理解されていない現状があることに気づかなければならないと感じる。
2)問9、問10が率直に消費者のイメージを訊ねている項目となっている。問9では、直接畜産農家から購入する場合を除けば、「産地表示」や「認証されている」ことが最も消費者の関心の深い項目であることが見える。やはり、何らかの形で(むろん第三者的立場である方がよいが)認証を行い、それを表示しPRすることが消費者にとっての安全・安心を得る手段であると考えられる。問10で訊ねた要望については、ある程度予想通りともいえるが、ホームページの開設を要望する人の年代が、比較的高い年代層からも求められているのは意外であった。同時に、「放し飼い」や「生産量増加」が、どうしてできないかを説明する必要があることを再認識する必要がある。
3)最後に問12では毎回フリーライトのコメントを頂いているが、今回も60人を超える方々から貴重なコメントを頂いた。中にはありがたいご忠告をいただくコメントもあるが、多くは参加することを前提とした内容の要望が多い。我々も、未だ力及ばずながら行っていることについても、多くのフォローをいただける点は感謝に堪えないものである。しかしながら、我々の説明不足・PR不足も否めないが、まだまだ大阪の畜産の性質を理解されていない方が多く見られることもあり、畜産会としてはなるべく多くの方が参加できる勉強会や交流会などを企画していくことも必要であると考える。
なにより、かざりのない率直な意見や質問などが、この事業を通じて得られる最も貴重な成果であることを再確認できたといえる。
以 上